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着物好きが育てたら、着物好きな娘になったので…

今度は着物好きの息子を育てようと企んでいます。娘に着物を着せたくて、独学で和裁を始めました。子どもの浴衣や着物のことや、着物でのお出かけなどについて書いていこうかなと思います。和裁についてはまったくの独学なので、おかしなところもあると思います。参考にされる場合はご承知くださいませ。

こどもの襦袢を作る ウール着物にはモスリン襦袢

 

モスリン」をご存じでしょうか?

ちょっと古い小説などで、「メリンス」と書かれたりもします。

 

中学か高校の国語の教科書に出てきたのを覚えているのが、田山花袋田舎教師』の冒頭部分です。何となく読んだことがあるという方も多いのではないでしょうか?

 

四里の道は長かった。その間に青縞あおじまいちのたつ羽生はにゅうの町があった。田圃たんぼにはげんげが咲き、豪家ごうかの垣からは八重桜が散りこぼれた。赤い蹴出けだしを出した田舎いなかねえさんがおりおり通った。
 羽生からは車に乗った。母親が徹夜てつやして縫ってくれた木綿もめん三紋みつもんの羽織に新調のメリンスの兵児帯へこおび、車夫は色のあせた毛布けっとうはかまの上にかけて、梶棒かじぼうを上げた。なんとなく胸がおどった。

                   田山花袋田舎教師』より

 

「赤い蹴出し」っていう表現もまた昔っぽい。「八掛」とか「裾回し」とは言わないんですね。

 

もともと、モスリンとメリンスは別の言葉なのですが、日本では混同されて同じものという扱いになったようです。

 

以下、Wikipediaからの引用です。

ヨーロッパではモスリンは薄手の綿織物を指し、またアメリカ合衆国ではキャラコのことをモスリンと呼ぶ。日本語では先行して流入した毛織物のメリンスとの混同があって、主に毛織物をモスリンと呼ぶ。

 

欧米における「モスリン」とは違って、日本では主にウールの薄手の生地のことを指すわけです(日本では、綿のモスリンの場合は、『綿モスリン』と表記されていることが多い)。

 

ウールのモスリンは着物や帯地にも使用されましたが、薄手なので襦袢地としてよく使用されました。

 

戦後は化繊の織物が増えて、虫食いに弱いモスリンは衰退していったようです。

 

現在はあまり生産されていませんが、新品もあることはあります。

 

 

 

モスリンはウールですので、自宅でお洗濯できます。

 

化繊よりも温かく、天然素材のため静電気が起きにくいのも良いところです。

 

こどもの冬用のウール着物に合わせて襦袢を作るなら、綿かモスリンがおすすめです。

 

我が家で、最初に作った娘の襦袢はコットン生地の長襦袢でした。

 

tsupiccoro.hatenablog.com

 

コットン生地はお値段が手頃で、色柄も選び放題なので第一選択ですが、温かさで選ぶならモスリンです。

 

モスリンの反物は、新品ですと結構なお値段ですが(もちろん正絹の襦袢地よりは安い)、探せばリサイクル着物屋さんでデッドストックなどの取り扱いがあります。

 

ちょっと色あせていたり、多少の小穴が開いていたりということはありますが、十分使用可能なものも多いです。

 

娘の【無双袖半襦袢】を作るために、襦袢生地の候補を用意して、娘自身に選んでもらうことにしました。 

 

候補① よろけ縞に小花

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候補② 鈴もよう

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上の二つが気に入らなければ…

 

小鳥さん柄のコットン生地にするか。

 

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さあ、むすめちゃんはどれを選ぶでしょうか!

 

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追記:

 

☟☟☟実際に娘が選んだのは…☟☟☟

【うそつき襦袢を手作り】綿ネル生地とモスリンのあったか無双袖半襦袢