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着物好きが育てたら、着物好きな娘になったので…

今度は着物好きの息子を育てようと企んでいます。娘に着物を着せたくて、独学で和裁を始めました。子どもの浴衣や着物のことや、着物でのお出かけなどについて書いていこうかなと思います。和裁についてはまったくの独学なので、おかしなところもあると思います。参考にされる場合はご承知くださいませ。

着物歳時記:桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)

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7月23日~26日頃は「大暑」のうち初候の「桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)」にあたります。

 

花を結ぶというものの、桐の花が咲くのは実際には5月頃なのだそうです。あれれ??

 

 

「桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)」の意味は?

 

「桐の花」とありますが、下の写真のような薄紫色をした花が咲くのは5月頃だそう。

 

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 北原白秋の歌集「桐の花」巻頭の歌論「桐の花とカステラ」にも次のようにあります。

桐の花とカステラの時季となつた。私は何時も桐の花が咲くと冷めたい吹笛フルートの哀音を思ひ出す。五月がきて東京の西洋料理店レストラントの階上にさはやかな夏帽子の淡青い麦稈のにほひが染みわたるころになると、妙にカステラが粉つぽく見えてくる。さうして若い客人のまへに食卓の上の薄いフラスコの水にちらつく桐の花の淡紫色とその暖味のある新しい黄色さとがよく調和して、晩春と初夏とのやはらかい気息のアレンヂメントをしみじみと感ぜしめる。私にはそのばさばさしてどこか手さはりの渋いカステラがかかる場合何より好ましく味はれるのである。

https://www.aozora.gr.jp/cards/000106/files/50252_38425.html

北原白秋 桐の花とカステラ(青空文庫)

 

久しぶりに読んでみたら、何だか当時の景色が見えてくるような文体で、もっと読んでみたくなりました。

 

「桐の花とカステラ」岩波文庫版の歌集に収録されているようです。ちょっと図書館で探してみようかな。

 

 

さて、七十二候の「桐始結花」は、花ではなくて花芽(来年の花の蕾)がつく頃を指すのだそうです。

 

実がつき始める頃という説もあるのですが、下の記事にある「花芽」説のほうが「花を結ぶ」という言葉にしっくりきます。

 

topics.smt.docomo.ne.jp

 

桐の花芽の画像はこちらのサイトから拝借します

forest17.com

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桐の木があったら花芽を探してみたいですが、だいぶ高いところにできるようなので、双眼鏡でもあったほうがいいみたいです。

 

桐の木が見られる場所は?

 

色んなところにあると思いますが、木に詳しくないので、桐の木があってもな気づけそうもないのが残念です。

 

公園や植物園なら、それぞれの木に紹介のプレートが付いているかもしれませんね。

 

★東京なら代々木公園あたりにあるそうです。
ameblo.jp

 

★愛知県の東三河ふるさと公園

www.aichi-koen.com

 

★大阪・八尾の心合寺山古墳

www.sankei.com

 

桐モチーフの着物や帯

 

さて、桐のモチーフ(桐文)は、吉祥文様として鳳凰などと組み合わせて、季節を問わず使用されます。

 

おめでたい席に着用する袋帯などに使用されることが多く、格調高いイメージです。

 

桐が花芽をつける季節だから、桐文の着物!という感じではまったくないのですが、いくつかご紹介します。

 

☟豪華な桐文の袋帯

  

☟デフォルメされた桐文がかわいいカジュアル向きの袋帯

 

☟ 優しい色が素敵な京友禅『久保耕』の訪問着

 

着物を着るようになってからは、描いてある文様について調べたり、以前よりも季節の草花に目を向けるようになりました。

 

桐の木を探して、着物に双眼鏡でお出かけというのも面白いかも!