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着物好きが育てたら、着物好きな娘になったので…

今度は着物好きの息子を育てようと企んでいます。娘に着物を着せたくて、独学で和裁を始めました。子どもの浴衣や着物のことや、着物でのお出かけなどについて書いていこうかなと思います。和裁についてはまったくの独学なので、おかしなところもあると思います。参考にされる場合はご承知くださいませ。

普段着物なら木綿(もめん)の着物がおすすめ。コットン着物、浴衣と違うの? 綿着物の長所・短所は?

 

木綿の着物が大人気ですね!

 

木綿って、要はコットン(cotton)じゃないの? 浴衣生地も普通は綿のはず…。

 

いったい何が違うの?? 

 

と、ふと疑問に思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

ということで、だいたいこんな感じです~というのを記事に纏めてみました!

 

 

木綿はコットンなの?

 

はい、間違いなく、コットンです!

 

cotton(コットン、木綿、綿)は、「ワタ」(アオイ科ワタ属の多年草のこと)という植物の種子の周りについている繊維から作られる織物です。

 

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「綿花」きぬさらさん撮影(写真ACより)

 

「綿花」と呼ばれていますが、いわゆる花ではないのですね。このフワフワの綿花から綿糸ができて、綿糸を織ると綿の生地となるわけです。

 

ちなみに、現在、産業用の国産の綿花生産はほとんど行われておりませんので、国内で綿生地を生産する場合は、中国やインドなどから原材料を輸入しています。

 

 


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木綿(もめん)、綿、コットンの名称使い分け

 

生地としては基本的にどれも同じコットンですが、通常、以下のように呼び分けているようです。

 

木綿(もめん)

 

昔から木綿を生産していた産地の名称を冠して、〇〇木綿と呼ぶことが多いです。

 

ざっくり並べてみると、よく見るところでは以下のようなものがあります。

※他にも、まだまだあると思います。

 

 

阿波しじらや備後絣、久留米絣などは、織り方に注目した呼び方になっていますね。

 

なお、デニム着物など、洋服用のコットン生地の着物も、「木綿着物」と呼んで販売されています。

 

別に間違いではありませんが、ちょっと紛らわしいので、以下、この記事内では、洋服生地の着物を「コットン着物」と呼んで区別することにします。

 

綿とコットン

 

木綿を省略して単に「綿」と呼ぶ場合があります。また、素材としてのコットンを日本語にすると「綿」なので、洋服のタグなどに、【コットン100%】とか【綿100%】と表示されています。

 

〇〇木綿の着物とコットン着物の違いは?

 

〇〇木綿の着物の特徴

 

  • 「先染め」が多い
  • 並幅(38cmぐらい)が多い
  • ざっくりした物から滑らかな手触りのものまで
  • 反物の価格は、8000円~40000ぐらいまで

 

「〇〇木綿」の場合は、無地か、または、先に糸を染めてから柄を織り出す「先染め」の縞模様や、格子模様(ブロックチェックなど)が多く見られます。

 

もう少し複雑な柄を織り出すのが、絣(かすり)です。

 

水玉模様や、お花模様、その他の幾何学模様など色々あります。後染めの柄とは違って、糸が少しずれることで、にじんだような独特な風合いのある柄に仕上がります。

 

「〇〇木綿」の場合、昔ながらの並幅(38cmぐらい)で作られることが多いので、昔ながらの着物の仕立て方に向いています。

 

反物の価格は、比較的お手頃なもので8,000円ぐらいから30,000円台ぐらいが多く、希少価値が高いと、もっと高価な物もあります。

 

コットン着物(洋服生地)の特徴

 

  • プリント生地で豊富な色柄が楽しめる
  • 110cm幅など、広幅の生地
  • 薄手の生地から厚手の生地まで、様々な生地
  • 生地の価格も様々だが、比較的お手頃価格

 

洋服生地にも先染めのコットン生地はありますが、伝統的な着物地には無かったような様々な色柄のプリント生地を自由に楽しむことができます。

 

広幅の生地で仕立てるため、並幅の反物では不要な生地端の処理が必要です(ロックミシンなど)。

 

好きな色柄のコットン生地を選んで、ミシンで手作りしても良いでしょう。着物を手作りするためのテキストも色々と出版されています。

 

仕立て上がりの着物も比較的お手頃価格な場合が多いです。

 

浴衣との違いは?

 

最近は、ポリエステルや新素材の浴衣も増えましたが、従来は浴衣も綿素材ですね。つまりは木綿着物の一部です。

 

浴衣は、本来は「夏向きの薄手の木綿着物で、通常夏らしい色柄の染め模様を施したもの」と言えます。

 

木綿着物の着用時期

 

木綿着物も、浴衣と同じく、単衣(ひとえ)仕立てがほとんどで、だいたい春から初夏にかけてと、秋までの単衣の季節に着られます。

 

素材によっては、真夏でも浴衣の代わりとして着られますし、ほっこりした素材感なら冬に着用してもよいでしょう。

 

代表的な木綿着物の一つである「阿波しじら」は、主な着用時期は夏なので、「浴衣」として扱われることが多いですが、襦袢と合わせて単衣の着物としても着用できます。

 

(ただし、しじら織はやっぱり夏っぽい素材感なので、春先や晩秋にはおすすめしません。。)

 

今回の記事は、ここまでで既に1800字を超えていますが、まだまだ行きます!

 

綿の着物の長所と短所

長所:

  • お手入れが簡単(自宅で洗濯できる)
  • お値段が手頃
  • 素材の良い物だと、着るほどに肌になじむ

 

 短所:

  • 縮みやすい
  • 普段着なので着用シーンが限られる
  • 真冬は寒いので着用が難しい

 

綿の生地は縮みます! お仕立てをお願いする場合は、どのくらい縮むのかを問い合わせて、水通しをしっかりお願いしたり、少し長めの丈にするなど相談すると良いです(ちなみに浴衣のお仕立ても同様です)。

 

ご自身で手作りする場合も、水通しをしっかりしましょう~。

 

ただし、木綿の着物はTHE普段着ですので、正絹の着物よりも少し丈を短めにして、さっぱりと着こなすほうが素敵です。

 

浴衣は特にそうですが、普段着物の場合、礼装のように裾を長く着付けるのは野暮というものです♪

 


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おすすめ木綿着物

 

伊勢木綿

 

着物雑誌でもよく特集されていたり、カラフルなブロックチェックに魅かれて着物を着始めた!という方も多いのではないでしょうか。

 

生地としては、細い糸で織られた滑らかさと、きれい色が特色です。

 

価格は、反物で20,000~30,000円ぐらいです。

 

☟優しい色合いのブロックチェック

☟ブルー系も爽やか✨ 

 

遠州木綿(遠州綿紬)

 

遠州木綿といえば、きれい色からシックな色まで、様々な縞模様が特徴です。

 

手織りに近い風合いも素敵です。

 

反物で8,000~10,000円ぐらいと比較的お手頃です。

 

☟カフェオレ色の細縞がイチオシ♪

☟カラフル縞もかわいい

 

片貝木綿

 

縞模様や格子模様があり、シックな色からポップな色まで様々です。

 

3種類の太さの異なる経糸を使っていて、太い糸だけが肌に触れるので、さらりとした着心地が特徴なのだそうです。

 

反物の価格は、20,000~30,000円ぐらいです。

 

☟繊細な縞模様が素敵です。

☟男女兼用の色柄も多数

久留米絣

 

時代劇や朝ドラでお馴染みの、昔の庶民の着物です。もんぺといえば、久留米絣のイメージですね!

 

伝統的な絣もようもいいけれど、花柄や水玉模様もあります。昔ながらの濃い藍色から、最近はきれい色もあるみたいです。

 

絣模様を出すために、最初から計算づくで糸を染めて織られます。すごい!

 

☟輪郭がほわっとした絣の水玉もようがかわいい! 

☟ 普段着物の王道です✨

 

洋服生地のコットン着物いろいろ

 

☟ ポップ系からシック系までいろいろ。


 

 

 

 ☟無地の着物はコーディネートしやすそうです。


 

 

 

綿の着物に合わせる帯は?

 

綿の着物は普段着なので、半幅帯または名古屋帯を合わせます。

 

NG! 袋帯は礼装用なので合わせません!

 

NG! 金糸・銀糸を使った、準礼装向きの帯も避けた方が無難です。

 

素材は、正絹、綿、麻など何でもOKです。着物との相性、コーディネート、季節感を考えて選べば自由に合わせて良いと思います。

 

普段着とはいえ、シックな雰囲気の木綿着物も増えていますので、帯合わせ次第で、カジュアルにも、シックにも着こなせますね!

 

木綿の着物を着こなせると、もっと着物が身近になりますよ♪