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着物好きが育てたら、着物好きな娘になったので…

今度は着物好きの息子を育てようと企んでいます。娘に着物を着せたくて、独学で和裁を始めました。子どもの浴衣や着物のことや、着物でのお出かけなどについて書いていこうかなと思います。和裁についてはまったくの独学なので、おかしなところもあると思います。参考にされる場合はご承知くださいませ。

四つ身ウール制作開始! 柄合わせを考える(お袖編)

 

もくじ

 

只今、むすめちゃんの着る冬の着物がまだ無いという緊急事態(?)です。いよいよ焦ってきて、この連休で何とかするぞ~と、ちくちくと制作を開始しました。

 

冬用の子ども着物なら、やっぱりウール!ということで、今回は、むすめちゃんが自ら選んだオレンジ色のウールの反物です。

 

tsupiccoro.hatenablog.com

 

着物の柄合わせ

着物を作るときには、柄合わせを考える必要があります。

 

本来は、柄合わせまで考えてから、生地を裁断します。

 

特に、浴衣地のように大きな柄が描かれている生地では、柄合わせで出来上がりの印象がまったく変わってしまいます。

 

柄合わせは難しくて、奥が深いので、とても素人が完璧にできるものではありません。。

 

浴衣や着物のお仕立てをお願いする場合、和裁士さんがきちんと柄合わせをしてくれているので、安心です。

 

一方、こどもの浴衣を手作りする場合、浴衣用に作られたリップル生地などは、柄が細かくて上下も気にしなくていいようになっていることが多いので、柄合わせをする必要はほとんどありません。

 

本気で柄合わせをする場合は、左側の衽と左胸付近の柄を最優先に決めて、バランスを見て袖を最後に決めます。

 

上下方向がある柄の場合は、下の図のように配置します。

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上前(左の前身頃)と左の外袖では、柄が上向きになっているのがポイントです。例えば、お花柄などでは、上前と左外袖のお花が逆さまにならないようにします。

 

上下が混ざった柄の場合でも、左衽、左胸付近、左外袖の袖口付近など目立つところでは柄が上向きになっていると良いです。

 

袖の柄合わせを考える

 

今回使用する反物は大人用ですが、柄が込み合っていて、上下も混ざっており、あまり柄合わせをする必要が無さそう…

 

無駄を出さないように、端から裁断してしまいました~(←適当)。

 

とはいえ、まったく柄合わせを考えないということでもないので、まずはお袖の柄を見て左右を決めたいと思います!

 

その前に、着物の袖がどういう仕組みになっているのかというと…

  • 生地の上に「わ」(=袖山)がくるように二つ折りにする。
  • 反物の耳が片側にしかない場合は、耳を袖口側にする。
  • 振り側(袖付け側)は、袖幅に合わせて内側に縫いこまれる。

 

下の図のように、振り側は見えなくなってしまうので、目立つ袖口付近が重要です。

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※青の斜線部分は、内側に折り込まれてしまうので見えない。

※赤の斜線部分は、自然に腕を下ろすと見えない。

 

これらを踏まえた上で、お袖の柄合わせでは、主に次のポイントを考えて、左右や袖山を決めるようにしています。

 

①外袖(=背中側)に良い柄がくるようにする。

②袖口側(特に袖口付近)が寂しくならないようにする。

③上下が混ざった柄の場合、袖口付近の目立つ場所を上向きにする。

 

今回の生地(袖用に裁断済みの2枚)を二つ折りにした状態で、それぞれの裏表を見てみますと…

 

A:

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B:

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C:

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D:

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うーん、どれも大差ないようですが… 

 

着物では、右よりも左を優先するので、左の外袖に一番良い柄を持ってきたいところです。

 

つまり、上の画像A~Dの左上のあたりが外袖の袖口になると考えて、一番いいのはどれか、と考えるのですが…

 

袖口付近の柄で選ぶなら、AかDがいいかな?

 

このままだと出来上がりがイメージしにくいので、さらに、袖幅と袖丸み部分を折って、ならべてみます。

 

パターンⅠ:

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パターンⅡ:

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ほかにもパターンはありますが、上の二つのパターンを比べてみると、パターンⅡのほうが良さそうかなと思います。

 

いろいろ考えだすと、決められなくなってしまうので、妥協も必要です~。

 

柄が決まったら、外袖の振り側の角を小さく三角に切りおとして目印にします。

 

柄合わせは難しいのですが、出来上がりのデザインを決める作業でもあるので、意外と楽しいです♪ 

 

柄合わせについて、もっと勉強してみたいという方には、過去記事でも何度かご紹介している下の教科書に詳しく書かれていますので、おすすめです。

 

(だいぶ本格的な和裁の教科書なので、お値段高めですが…)

 

 

早いもので、もう11月も残すところ1週間を切ってしまいました…。