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着物好きが育てたら、着物好きな娘になったので…

今度は着物好きの息子を育てようと企んでいます。娘に着物を着せたくて、独学で和裁を始めました。子どもの浴衣や着物のことや、着物でのお出かけなどについて書いていこうかなと思います。和裁についてはまったくの独学なので、おかしなところもあると思います。参考にされる場合はご承知くださいませ。

こどもの浴衣(四つ身)を作る Day1 和裁道具と材料、下準備から生地裁断まで

 

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初回投稿日:2018年6月13日

最終更新日:2020年3月6日 

 

 


浴衣づくりの道具


 

必要な道具には、以下のようなものがあります。

①手縫い針(もめん用)

手縫い針は、長さや太さがさまざまです。細めの針の方が縫いやすいです。自分の指の長さにあったものを選ぶと運針がやりやすいです

 

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⇒ 基本の縫い方おさらい① 運針(苦手意識の原因と対策)

 

②待ち針

15本ぐらいあるとよいです。あらかじめ本数を決めてセットしておくと、落としても安心です(時々、点呼しましょう♪)。

 

③指ぬき

運針に必要です。また、針頭を押して分厚い場所を縫う時にも必要です(指ぬきが無いと指に穴があきます)。

 

④裁ち鋏

一般的なものでOKです。絶対に紙を切ったりしないでくださいね!

 

⑤糸切り鋏

握るタイプと指を通すタイプがあります。切りじつけいう印付け方法では糸切り鋏の切れ味が重要です。

 

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⇒【和裁】切りじつけには、握り鋏がおすすめ。

 

⑥印つけペンなど

フリクション色鉛筆が便利でおすすめです。もちろん、一般的なちゃこペンでもOKです。

 

⑦定規とメジャー

定規は、長め(50cm以上)のものと、短めのもの(20cm)の2種類用意しておくと便利です。

曲線部の寸法を測ることがあるので、メジャー(巻き尺)もあったほうがよいです。

 

⑧くけ台&かけ針 👈重要

見たことはあるけど使ったことはない…という方も多いかもしれません。和裁では、くけ縫いなどの際に「くけ台」と「かけ針」が必須アイテムです。

 

⑨アイロン

和裁では「鏝(こて)をかける」といいます。アイロンで大丈夫です。きせをかけて縫い目を隠したり、要所でアイロンを使います。 

 

あわせて読みたい

⇒【和裁用語】きせをかける 

 

⑩袖丸み型

女の子の袖は「元禄袖」、男の子の袖は「船底袖」にするとかわいいです。厚紙(菓子箱などでOK)で簡単に自作できます(第2回の記事参照)。

 


浴衣づくりの材料


 

①浴衣用の生地

 

綿リップル生地など、110cm幅の生地を使用する場合の用尺は、以下の通りです。

  • 3~4歳向け標準寸法の場合:110cm幅×230cm
  • 5~6歳向け標準寸法の場合:110cm幅×250cm
  • 7~8歳向け標準寸法の場合:110cm幅×280cm

※袖丈を長くする場合は、用尺が変わります。裁断図を参考にして調整してください。

 

②胸ひも用の生地

 

下の裁断図では浴衣生地の余りを使用しています。

 

③三つ衿芯

 

第10回のところで使用します。衿を縫うときに、首回りに縫い付けます。

 

三つ衿芯が無ければ、浴衣の共生地やその他の生地で代用してもよいですが、今後また浴衣を縫いたいとお考えでしたら、一つ購入しておくと便利です。

 

 

④もめんの手縫い糸

 

浴衣生地の色に合わせて、木綿の手縫い糸を用意します。

 

※ミシン糸と手縫い糸は撚り(より)のかけ方が違うそうなので、手縫い糸を用意してください。

 


生地の下準備(水通し)


 


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コットン生地は縮みやすい生地です。お洗濯したら縮んでしまった!ということにならないよう、裁断の前に水通しをしてあらかじめ縮めてしまいます。

 

水通しの方法:

・畳んだ生地を水をはった洗面器などに入れる。

・生地をそっとめくって、生地全体が水に浸かるようにする。

・2~3時間水に浸けておく。

・ネットに入れて、軽めに脱水する。

・しわを伸ばして陰干しする。

 

生地が歪んでいる場合は、水通し後にアイロンをかけて地直しします。

 

リップル生地の場合はポコポコがつぶれないように、下にタオルを敷くなどして軽めにアイロンをかけると良いです。

 


生地の裁断


 

下の標準寸法のうち、出典2の四つ身の寸法をもとに、①3~4歳向け、②5~6歳向け、③7~8歳向けの3種類裁断図を描いてみました。

 

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色々な方法を考えましたが、以下の点に考慮して、この裁断図になりました。

 

衿がひと続きで接ぎ(はぎ)がないこと。

別布の裏衿をつける必要がなく、一枚の布を半分に折って使えること。

※逆に考えると、生地が少し足りなくても、衿に接ぎを入れたり裏衿を付ければ作れる場合があります。

 

①3~4歳向け四つ身裁断図(生地幅110cm:用尺222cm)

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②5~6歳向け四つ身裁断図(生地幅108~110cm:用尺236cm)

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③7~8歳向け四つ身裁断図(生地幅108~110cm:用尺272cm)

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※110cm幅の生地を想定した裁断図です。水通しで縮んでしまった場合など、幅が少し足りない場合は、袖と胸ひもの幅を減らしてください(縫い代が3cmぐらいあれば大丈夫です)。

 

 ☆コラム☆ 

あれ?衽(おくみ)が無い?? そうなのです。四つ身では、前身頃の生地をつまんで衽を縫います(「つまみ衽裁ち」といいます)。

もっとサイズが大きくなると、つまみ衽をやめて大人物に近い裁ち方(別衽裁ち)になります。

 

 

 

 


記事『こどもの浴衣を作る』へのリンク


子どもの着物(四つ身)を手作り 

こどもの浴衣を作る Day1 生地の下準備・裁断👈いまここ 

こどもの浴衣を作る Day2 胸ひもを縫う・丸み型を作る

こどもの浴衣を作る Day3 袖の印付け・袖を縫う

こどもの浴衣を作る Day4 身頃の印付け・背縫い

こどもの浴衣を作る Day5 つまみ衽を縫う・褄下ぐけ

こどもの浴衣を作る Day6 後幅の印付け・脇縫い・かくしじつけ

こどもの浴衣を作る Day7 脇縫い代の始末・身八つ口のかんぬきどめ

こどもの浴衣を作る Day8 裾をくける

こどもの浴衣を作る Day9 衿をつける

こどもの浴衣を作る Day10 衿芯を縫い付ける・洗濯止め

こどもの浴衣を作る Day11 衿先止め・衿をくける・共衿をかける

こどもの浴衣を作る Day12 袖をつける・縫い代をくける

こどもの浴衣を作る Day13 腰揚げ・肩揚げ

こどもの浴衣を作る Day14 (最終日)胸ひもをつける・紐飾り