page contents

着物好きが育てたら、着物好きな娘になったので…

今度は着物好きの息子を育てようと企んでいます。娘に着物を着せたくて、独学で和裁を始めました。子どもの浴衣や着物のことや、着物でのお出かけなどについて書いていこうかなと思います。和裁についてはまったくの独学なので、おかしなところもあると思います。参考にされる場合はご承知くださいませ。

こどもの浴衣(四つ身)を作る Day11 衿先どめ・衿をくける・共衿をかける

f:id:tsupiccoro:20180714222637j:plain

初回投稿日:2018年7月5日

最終更新日:2020年4月26日

 

前々回(⇒Day9 )から前回(⇒Day10 )までで、身頃に衿を縫い付けて衿の中を処理する作業がおわりました。今回は、衿を半分に折って内側に縫い綴じる(くける)作業です。3回にわたって続いた衿つけがやっと終わります。

 

 


衿を衿幅に折る


 

今回の裁断方法(⇒Day1:裁断図<棒衿>)では、衿幅の2倍+縫い代の幅で衿を裁断したので、最終的な衿幅になるように折っていきます。

 

★衿幅の寸法(⇒Day1:標準寸法 

  • 3~4歳:4cm
  • 5~6歳:4.5cm
  • 7~8歳:5cm

 

(1) 表衿が衿幅の寸法(上記)になるように衿を折る

 

(2) 裏衿が衿幅の寸法になるように縫い代(くけ代)を折って、待ち針でとめる

 

背中心 ⇒ 衿肩あき ⇒ 剣先 ⇒ 衿先 ⇒ 剣先と衿先の間数か所の順に針を打ちます

※右衿の衿先からくけていくので、針先は着物側を向きます(下の写真を参照)

 

表衿側の衿付けの時に、縫い代が一定にならなかったかもしれません。最終的な衿幅が一定になるように、裏衿側の縫い代でうまいこと調節してください。

 

f:id:tsupiccoro:20180705003129j:plain

 

★衿の裁断方法について★

この方法が一番楽なので、なるべく「衿幅の2倍(+縫い代)」となるように衿を裁断しています。

生地の都合上、衿幅が2倍とれないという場合は、広衿の着物のように別生地の裏衿をつけるという方法もあります。

☟裏衿をつけてみた例

tsupiccoro.hatenablog.com

 


衿先どめ・衿ぐけ


 


スポンサードリンク
 

 

 

『衿先どめ』は表衿、裏衿、着物の3枚の布をしっかりとめつつ、衿先の縫い代を内側に折るように美しく処理する縫い方です。左右の衿先について、それぞれ「衿先どめ」をします。

 

(1) 右衿の衿先どめをする

(2) 右衿 ⇒ 背中心 ⇒ 左衿の方向にくけていく

(3) 左衿の衿先の20cmぐらい手前で一度針を抜く(糸はそのまま)

(4) 左側の衿先どめをしてから、残りの衿をくける

 

※衿先どめのやり方については、赤ちゃん浴衣の記事(Day12)で、かなり詳しく書きましたので、そちらをご参照ください。

 

tsupiccoro.hatenablog.com

 

衿先どめは、和裁を始めた頃はなかなか覚えられず、いつも下のテキストを見ながら縫っていました。

わかりやすくておすすめです(今では、さすがにテキストを見ないでできるようになりました! )

 

☟和裁のテキストが手元に一つあると便利

 


共衿をつける


 

衿を裁断したときに余った生地から共衿をとります。

 

※共衿の長さは、剣先の下5cmぐらいにくるぐらいの長さです(あまり長いと胸ひもをつけるときに邪魔です)。

※共衿を裁断する際は、衿元になるべく良い柄が来るように柄合わせを考えます。

 


衿の柄合わせ


 

今回はリップル生地を使用しています。リップル生地は比較的小さめの柄が上下なく繰り返されるようになっていることが多いので、浴衣全体としての柄合わせは不要です。

 

ただし、共衿(共衿をかけない場合は地衿)だけは、少しだけ柄合わせに注意すると、出来上がりの見栄えが違います。

 

といっても、生地にそれほど余裕があるわけでもないので、いくつかある選択肢のなかから一番良さそうな柄を選ぶという程度で大丈夫です。

 

★衿の柄合わせのポイント★

・左衿の目立つところに良い柄が出るようにする

・右衿にもそこそこ良い柄が出るようにする

・左右の衿を合わせたときにバランスがいいようにする

・左右の衿を合わせたときに柄がきれいに繋がるのも面白いかも?

 

 今回、地衿は下のような感じになっています。

f:id:tsupiccoro:20180705010401j:plain

 

共衿をかける予定でしたので、地衿の柄合わせは全然気にしていませんでしたが、なかなかどうしていい感じです(もう共衿つけるのやめちゃおうかと思ったぐらいです)。

 

やはり共衿をつけたほうが、衿がふっくらして素敵になるので、柄合わせを考えていきます。

 

☟今回、①~④の候補がありました。

f:id:tsupiccoro:20180705011127j:plain

f:id:tsupiccoro:20180705011137j:plain

f:id:tsupiccoro:20180705011249j:plain

f:id:tsupiccoro:20180705011310j:plain

 

今回の生地では、やはり桜の花が固まっているところが良い柄と思われます。

 

①③:少し寂しい印象

②:右衿は良い柄だが、左衿がちょっと寂しい

④:衿が合わさるあたりに桜の花が満開!という感じ

 

ということで、④に決まりましたが、結局好みの問題かも知れません。

 


共衿のつけ方


 


スポンサードリンク
 

 

 

地衿をつける時に同時に共衿をつけてしまう方法もありますが、共衿だけ外して付け替えることができないので、おすすめしません(が、時間短縮にはなります)。

汚れたらいつでも取り替えられるのが、共衿本来の役目です。

 

(1) 共衿を半分に折って、背中心の位置を決める

 

(2) 表衿にくけつける側に縫い代分の折りぐせをつける

 

(3) 表衿側に待ち針で共衿をとめる

※剣先より上は0.2cmぐらい地衿の外側に出し、剣先より下は地衿と揃えます。

※このとき、机の上で衿をぺたっと広げたりせず、実際に着た時のように持って共衿を合わせたほうが、外側がつれずにきれいにつけられます。

 

f:id:tsupiccoro:20180705131559j:plain

 

(4) 両端の待ち針だけ残して、ほかの待ち針をいったん外す

 

(5) 両端の縫い代の角を三角に折って、地衿に縫い付ける(表衿側のみ)

 

f:id:tsupiccoro:20180705131742j:plain

 

(6) 再度待ち針をとめて、表衿側をくけていく

 

(7) 裏衿側は、両端も一緒に三方をくける(角ですくいどめ)

 

f:id:tsupiccoro:20180705133558j:plain

 

後は袖をつければ、着物としては完成です。

 

 


記事『こどもの浴衣を作る』へのリンク


 

子どもの着物(四つ身)を手作り 

こどもの浴衣を作る Day1 生地の下準備・裁断

こどもの浴衣を作る Day2 胸ひもを縫う・丸み型を作る

こどもの浴衣を作る Day3 袖の印付け・袖を縫う

こどもの浴衣を作る Day4 身頃と衽の印付け・背縫い

こどもの浴衣を作る Day5 つまみ衽を縫う・褄下ぐけ

こどもの浴衣を作る Day6 脇縫い・かくしじつけ

こどもの浴衣を作る Day7 脇縫い代の始末・身八つ口のかんぬきどめ

こどもの浴衣を作る Day8 裾をくける

こどもの浴衣を作る Day9 衿をつける

こどもの浴衣を作る Day10 衿芯を縫い付ける・洗濯止め

こどもの浴衣を作る Day11 衿先どめ・衿をくける・共衿をかける👈いまここ

こどもの浴衣を作る Day12 袖をつける・縫い代をくける

こどもの浴衣を作る Day13 腰揚げ・肩揚げ

こどもの浴衣を作る Day14 (最終日)胸ひもをつける・紐飾り