着物コーディネートのヒント　池田流「日本のおしゃれ」 - 着物好きが育てたら、着物好きな娘になったので…

四季折々の着物のコーディネートに関する本が好きです。

石田節子世界文化社 2003-07

その中でも、2015年に亡くなられた故池田重子さんのコーディネートは、大正時代を中心としたアンティーク着物と帯が素敵です。

着物好きなら池田重子さんを知らない人はいないと思いますが、これから着物を着てみようかな～と思っている方や、アンティーク着物に興味があるという方は、池田重子さんの着こなしに触れたら、もっと着物が好きになるのではないでしょうか！

アンティークの着物と帯といっても、池田流のコーディネートには現代の感性がとりいれられているので、見る人をより一層惹きつけるのだと思います。

今日は、池田さんの著書から、着物のコーディネートのヒントになりそうな言葉をご紹介したいと思います。

現代では色数を少なくして、濃淡で見せたほうが奥行が出て美しい

池田重子コレクション「日本のおしゃれ展」最終章より

私が最初に着付けを習ったときには、着物に使われている色のどれかと同じ色の帯をするとよいとか、八掛の色に合わせると良いなどと教わりました。実用的ではありますが、今思うとちょっと味気ない教えです。

池田重子さんの「濃淡で見せる」という言葉のほうが、曖昧なようでむしろ参考になります。

横浜生まれの池田さんはどちらかというと粋好みなのだそうです。

「粋が過ぎれば下品になる」と言いますから、私の好きな「大胆にして繊細」ということば通り、粋に走りすぎず、野暮にならず、その見極めに心を配ります。「美」とはそのぎりぎりの線を見極めて、断崖絶壁を歩くようなものだと思います。

池田重子コレクション「日本のおしゃれ展」最終章より

私自身はあまり「粋」な着物が似合う雰囲気ではないこともあり、池田さんのコーディネートの中には、こういう着物は着ないな～というのもあるのですが、無難なコーディネートではつまらないので、「ぎりぎりの線を見極める」つもりでコーディネートしてみたい！という気持ちはあります。

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そして、池田流のコーディネートで重要視されるのが、「季節をとり入れること」です。

着物というと、この柄はこの季節に着ないとだめ！とか、この季節に着るのはこの素材とか、決まり事ばかりが先行するように思われがちですが、本来はもっと、季節を身にまとうことを楽しんでコーディネートするものではないかと思います。

池田さんのコーディネートは、簡単に真似ができるものではありませんが、こんなコーディネートで着物を着てみたい！というインスピレーションを与えてくれます。

特に、羽織を合わせたコーディネートが好きです。池田さんのコーディネートに出てくる羽織は、羽織だけでも主役級で、羽織姿ってなんて素敵なんだろうかと思います。

現代はどちらかというと道行コートや道中着を合わせる人が多く、羽織を着たとしても、ただのカーディガン扱いになりがちな気がします。無難な色の無地っぽい羽織は、どんな着物にでも合わせられて便利かもしれませんが、ちょっとつまらないかなと思います。

羽織を着た前姿は、着物も帯も小物も見えますから、羽織をうまく着こなせば、お気に入りの着物や帯をさらに引き立てる装いができると思います。

でも、すごく難しい。

素敵だな～と思った羽織を買ってみても、着物や帯と合わせたときになかなかしっくりきません。

そのかわり、これはぴったり！というコーディネートが出来上がると、難易度が高い分満足度も倍増です。

そろそろ、秋のコーディネートも気になりだす季節になりました。

気が早いですか？

池田重子さんの「秋のおしゃれ」を見ながら、秋を心待ちに、コーディネートをじっくり考えたいと思います♪