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着物好きが育てたら、着物好きな娘になったので…

今度は着物好きの息子を育てようと企んでいます。娘に着物を着せたくて、独学で和裁を始めました。子どもの浴衣や着物のことや、着物でのお出かけなどについて書いていこうかなと思います。和裁についてはまったくの独学なので、おかしなところもあると思います。参考にされる場合はご承知くださいませ。

赤ちゃん浴衣(一つ身)を作る Day2:標準寸法と裁断図

最終更新日:2020年11月29日

 

裁断図にミスがありましたので、訂正いたしました!

 

訂正前の裁断図には、【船底袖】の裁ち切り寸法のみ(片袖54cm)記載しておりました。

 

【元禄袖】の場合は、標準寸法の袖丈が船底袖よりも2cm長いので、片袖の裁ち切り寸法は58cmとなります。

 

また、「もっとお袖を長くしたい!」というママさんもいらっしゃると思いますので、その場合は【出来上がりの袖丈】に縫い代2cmを足してください。

 

裁断図のミスに気付いてご指摘してくださった【あさ】様!ありがとうございました!

 

2日目のメニューです。

 

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生地の下準備(水通し)

生地が届いたら、まずは洗ってさっぱりしましょう。赤ちゃんに着せる物ですから!出来上がってから洗えばいいような気もしますが、だいたいの生地は洗うと少しは縮みますし、最初に洗ってしまいましょう!

「水通し」とかいうみたいですが、私は深く考えず、洗濯機に放り込んでドライコースとかデリケートコースで洗ってしまいます。脱水まで終わったら取り出して、なるべくシワを伸ばして室内に干しておきます。

アイロンがけ(地直し)をする場合は、からからに乾く前にすれば霧吹き不要です!リップル生地の場合は、ポコポコ凹凸のある生地でしわも目立たないので、私はアイロンがけしないで裁断しちゃいます(←適当)。あんまり生地が歪んでいるようなら地直ししてください。。

 

標準寸法

子供浴衣の標準寸法は以下の通りです。

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子供浴衣の標準寸法

この表は、和裁のテキスト2冊を参考にまとめてあります。

 

出典1のテキストは昭和の子供、出典2のテキストは平成の子供という感じですが、今は令和なので、出典2よりも大きめの寸法が必要になるかもしれません。

 

体格の良いお子様の場合は、一つ上のサイズで作っても良いかもしれません。大きい分には、腰揚げと肩揚げで調整できます。

 


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生地の裁断 

それでは、裁断図を見てみましょう。1~2歳の小さい子向けと、3歳ぐらいのちょっと大きい子向けの裁断図を描いてみました。生地のをなるべく活用したいので、一方の端から身頃、もう一方から衿を取るようにすると縫うときに楽です。

生地幅は1~2歳向けなら、90cm幅で十分足りますが、3歳向けだとやっぱり110cm幅のほうがいいと思います。

二つの裁断図の違いは、ずばり、衽(おくみ)幅の違いです。身体が大きくなった分は身頃の幅ではなくて、衽幅で調節するんですね!これでも足りなくなったら、一つ身を卒業して4つ身になります。4つ身では後ろ身頃が左右別々になり背縫いが必要になるのです。

 

☟以下は訂正後(2020年11月29日)の裁断図です。訂正前は、袖の裁ち切り寸法を「54」としていました。

 

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一つ身浴衣裁断図(0~2歳ぐらい)

 

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一つ身浴衣裁断図(2~3歳)

 

 

裁断図では、パーツに分解されていて出来上がりがイメージしにくいですね。下が出来上がったときの様子です。大人の着物との主な違いは、腰揚げ・肩揚げをするのと、胸ひもをつけることです。

 

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この裁断図内で、衿の長さだけ寸法をいれていません。あとで必要な長さだけ測ってから切ればよいので、ひとまず耳から9cmの幅で布を切り取っておいてください。点線の部分は切りません!のでご注意ください。

 

胸ひもも同じ生地で作る場合は、裁断図の通りに切り取ってください。後述しますが、胸ひもだけ別の生地でつくる場合は不要です。結構余り生地がでますが、衿芯の代わりにもう少しだけ後で生地を使います。

 

和裁の場合、洋裁のように型紙を手に入れてトレーシングペーパーで写したりする作業は必要はありません。直線で裁つのでわかりやすいところがいいです。

 

追記:柄合わせについて

リップル生地の場合は、柄が細かくて上下も無いような柄付けになっていますので、通常、柄合わせは必要ありません。

 

リップル以外の生地で、少し大きめの柄だったり、上下のある柄だったりする場合は、「柄合わせ」を考慮する必要があります。

 

柄合わせは難しいので、和裁士さんのような専門知識がなければ、完璧にはいかないと思いますが、可能な範囲で少しでも良いデザインにしたいと思って、努力はしています。

 

以下の記事に、少しだけ柄合わせについて書いています

 

☟袖の柄合わせ(ウールの反物)

tsupiccoro.hatenablog.com

 

☟共衿の柄合わせ(ウールの反物)

tsupiccoro.hatenablog.com

 

さあ、次回からいよいよ縫っていきます~。

 

予告:Day3では、胸ひもを縫います。

 

 

記事『赤ちゃん浴衣を作る』へのリンク

赤ちゃん浴衣を作る Day 1 材料と道具の調達

赤ちゃん浴衣を作る Day2 生地の下準備と裁断

赤ちゃん浴衣を作る Day3 胸ひもを縫う

赤ちゃん浴衣を作る Day4 丸み型を作る、袖の印付け、袖を縫う

赤ちゃん浴衣を作る Day5 衽の印付け、褄下をくける

赤ちゃん浴衣を作る Day6 身頃の印付け、脇縫い、かくしじつけ

赤ちゃん浴衣を作る Day7 脇縫い代の始末、身八つ口のかんぬきどめ

赤ちゃん浴衣を作る Day8 前身頃の印付け、衽付け

赤ちゃん浴衣を作る Day9 裾をくける 

赤ちゃん浴衣を作る Day10   衿をつける

赤ちゃん浴衣を作る Day11 衿芯をつける・洗濯止め

赤ちゃん浴衣を作る Day12 衿先止め・衿をくける

赤ちゃん浴衣を作る Day13 袖をつける・縫い代をくける

赤ちゃん浴衣を作る Day14   腰揚げ・肩揚げ・(共衿つけ)

赤ちゃん浴衣を作る Day15(最終日) 胸ひもをつける・紐飾り・背守り