page contents

着物好きが育てたら、着物好きな娘になったので…

今度は着物好きの息子を育てようと企んでいます。娘に着物を着せたくて、独学で和裁を始めました。子どもの浴衣や着物のことや、着物でのお出かけなどについて書いていこうかなと思います。和裁についてはまったくの独学なので、おかしなところもあると思います。参考にされる場合はご承知くださいませ。

こどもの浴衣(四つ身)を作る Day3 袖の印付け・袖を縫う

 

f:id:tsupiccoro:20180714222637j:plain

初回投稿日:2018年6月18日

最終更新日:2020年3月7日

 

 


袖の印付け


 

袖の生地を、袖山が「わ」になるように、中表にきちんとたたみます。

 

図を参考にして、左右の内袖(身体の前側)の裏側に印をつけてください。

 

下の図は右袖です(左袖は左右反転してください)。

f:id:tsupiccoro:20180617220537j:plain

元禄袖の印付け(右袖)

 

印付けのくわしい手順:

 

※図の(かっこ)内の数字は、3~4歳/5~6歳/7~8歳の標準寸法に対応しています。

 

(1) 袖口止まりの印をつける(袖山から15cm/17cm/17cmのところ)

 

(2) 袖口くけ代の印付けをつける(生地端から0.8cm、袖山と袖口止まりの間に数か所)

 

(3) 袖丈の印を付ける(袖丈+「きせ」0.3cm)

 

(4) 袖口下の縫い代の印をつける(生地端から0.6cm、袖口止まりから袖丸みまで)

※袖口のくけ代と0.2cmずれるのは、袖口下に「きせ」をかけるためです。

 

(5) 袖丸みの印を付ける(丸み型を使う⇒丸み型については、 Day2参照

 

(6) 袋縫いをする位置に印を付ける(袖丸みの手前2cm/袖付け縫い代の1.5倍)

※袖幅の印はここでは特に必要ありませんが、袖口側から袖幅を測ると、袖付け縫い代がわかります。だいたい袖付け縫い代の1.5倍ぐらいのところまで袋縫いをします。

 

下のような感じになります。

f:id:tsupiccoro:20180617221726j:plain

 

あわせて読みたい

和裁では、縫い代の始末をする時に、「きせ」をかけて縫い目を隠します。

印つけにも「きせ」という言葉が出てきましたが、この後実際に「きせ」をかける場面が多数ありますので、先に以下の記事を読んで頂けると理解しやすいと思います。

【和裁用語】きせをかける - 着物好きが育てたら、着物好きな娘になったので…

 


袖下縫い代の袋縫い


 


スポンサードリンク
 

 

 

(1) 外表にたたみ直して、先ほど印をつけた袋縫いの縫い始めと縫い終わりに待ち針を打つ。

 

(2) 袖下の布端から0.4cmぐらいのところを縫う(縫い始めと縫い終わりを一針返す)。

 

(3) 中表にひっくり返して、縫ったところにアイロンをかけて整える(毛抜きあわせにする)。

 


袖下~袖口止まりまで縫う


 

(1) 中表にした状態で、袖口止まり、袖丸みの両端・丸みの真ん中・袖下2か所ぐらいに待ち針を打つ。

 

以下は右袖の例です。左袖は、袖口止まり⇒袖丸み⇒袖下の方向に縫います。

 

(2) 袖下の縫い始めは2cmぐらい半返し縫いにする。

 

(3) 丸みの始めと終わりは一針返す。

 

(4) 丸みの部分はなるべく小針で(細かく)縫う。

 

(5) 袖口止まりの手前2cmは半返し縫いにし、袖口止まりですくい止めをする。

 

f:id:tsupiccoro:20180617224428j:plain
f:id:tsupiccoro:20180617224440j:plain
左:袖下縫い始め 右:袖下
f:id:tsupiccoro:20180617224453j:plain
f:id:tsupiccoro:20180617224502j:plain
左:袖丸み 右:袖口どまり

 


縫い代の始末


 

(1) 1回目に縫った丸みの0.4cmぐらい外側を、2本取りの糸でもう一回縫う。

 

縫い終わりは外袖側に糸を出し、糸を切らずに置いておく(針がついたまま)。

 

f:id:tsupiccoro:20180617230226j:plain

 

(2) 袖下の縫い代に0.3cmの「きせ」をかけて、内袖側に倒す(アイロン)。

 

f:id:tsupiccoro:20180617230609j:plain

 

(3) 袖口下の縫い代に0.2cmのきせをかけて、内袖側に倒す(アイロン)。

 

f:id:tsupiccoro:20180617230631j:plain

 

(4) 丸み型をあてて糸を引き絞り、縫い代にひだを寄せて、丸みを作る(アイロン)。

 

f:id:tsupiccoro:20180617231038j:plain

 

(5) 玉止めをした後、糸を1本だけ切り、残りの糸でひだを縫う(ひだが開かないように、返し縫いをしながら止めていく)。

 

f:id:tsupiccoro:20180617231126j:plain
f:id:tsupiccoro:20180617231142j:plain
右はひだの内側から見たところ

 

(6) ひだの先端を内袖に縫い付ける。

 

f:id:tsupiccoro:20180617232353j:plain
f:id:tsupiccoro:20180617232050j:plain
右は表返したところ(縫い目は目立たない)

 


袖口をくける


 


スポンサードリンク
 

 

 

(1) 袖口を印通りに折ってから、さらに半分に折って三つ折りにし、指でしごくようにして、しっかり折りぐせをつける。

 

(2) 掛け針にかけて数か所に待ち針を打ち、袖口止まりから袖山を通って、反対側の袖口止まりまでくける(0.8cmぐらいの間隔で縫う)。

 

(3) 袖口止まりではすくい止めをする。

 

f:id:tsupiccoro:20180617233938j:plain

f:id:tsupiccoro:20180617234957j:plain

三つ折りぐけ

(4) 表返して、袖口にアイロンをかける。

 

(5) 袖下~丸み~袖口下までを毛抜きあわせに整える(アイロン)。

 

f:id:tsupiccoro:20180617235104j:plain

 

お袖が縫えました!

 

f:id:tsupiccoro:20180618000012j:plain

 

 

 


記事『こどもの浴衣を作る』へのリンク


 

子どもの着物(四つ身)を手作り 

こどもの浴衣を作る Day1 生地の下準備・裁断

こどもの浴衣を作る Day2 胸ひもを縫う・丸み型を作る

こどもの浴衣を作る Day3 袖の印付け・袖を縫う👈いまここ

こどもの浴衣を作る Day4 身頃の印付け・背縫い

こどもの浴衣を作る Day5 つまみ衽を縫う・褄下ぐけ

こどもの浴衣を作る Day6 後幅の印付け・脇縫い・かくしじつけ

こどもの浴衣を作る Day7 脇縫い代の始末・身八つ口のかんぬきどめ

こどもの浴衣を作る Day8 裾をくける

こどもの浴衣を作る Day9 衿をつける

こどもの浴衣を作る Day10 衿芯を縫い付ける・洗濯止め

こどもの浴衣を作る Day11 衿先止め・衿をくける・共衿をかける

こどもの浴衣を作る Day12 袖をつける・縫い代をくける

こどもの浴衣を作る Day13 腰揚げ・肩揚げ

こどもの浴衣を作る Day14 (最終日)胸ひもをつける・紐飾り